企業理念

コロナ禍により期せずして社会や生活が変化を余儀なくされ、本格的にネットワーク中心の時代に移り変わろうとしている現在、していき、が現れると推測します。

また、21世紀に入って技術革命が加速したデジタル化、IT化の流れは、これからの10年で一気に花を咲かせようとしている様相です。そういったテクノロジーは様々な分野(※)に展開され、確実に世の中を変える期待と可能性を持っており、アフターコロナの生活様式の変化と相まって、私たちの予想を遥かに超えたスピードで実用化されていくと思います。

※ 高速通信、マイクロプロセッサーの性能向上とデバイスの多様化、AI技術の活用範囲の加速的進展とシンギュラリティ、IoT、ロボティクス、自動運転、フィンテック、バイオメディカル、シェアリング・エコノミー、マッチング、etc.

その中には、目覚ましい成果を上げる一方で、急激過ぎる変化や行き過ぎ、利用する側への過度なコスト転嫁や不慣れによる高ストレス、悪意ある利用による弊害など、人々に対して過渡期としての負担を強いることも大いに危惧されます。

既に生活の基盤を担いつつあるSNSを例に取ると、まだまだ利用者には著しい偏りがあり、マイナス面が誇張されがちなこともあって、テクノロジーの本当の価値が世の中に広く浸透するには、さらなる改善や工夫が必要な状況にあります。

このように始まった2020年代において、私たちは次のような潮流に注目しています。


① 企業・組織活動中心から個人活動中心の時代へ

近年の「働き方改革」や、コロナ禍が加速させているにより、成果の出し方や時間の使い方など、従来以上に個人の裁量にウェイトがかかってきています。さらに、副業のような主たる職業以外での、個人の時間やスキルを活かした仕事もどんどん増える気運が高まっています。そして、そんな自由度の増した個人の活動は、仕事以外にも広がり、が可能な時代が本格的にやってくるように思います。

これまで国や社会は、個人個人を管理・サポートしきれないため、世帯、地域、団体、会社といった組織を管理・サポートしてきました。その結果、個人もそれらに依存していました。しかし、世帯という概念が薄れ、組織への帰属も流動的になっていくこれからの社会では、、の流れが加速していくものと考えます。

個人が「自立」する、ということは、組織への貢献ではなくて、社会への直接貢献です。一人ひとりが社会的な価値を提供し、役割を責任を持って引き受ける、ということです。そのためには、これまで以上にを意識しなくてはいけません。さらに、組織への依存が下がるといっても、人は一人では生きていけません。そのため、これまで以上に「」が重要になってくると考えます。組織を通した人との交流では難しかった、相手を選り好みできることで、交流の本当の目的もはっきりします。

そう考えていくと、いくつかの課題やトレンドが見えてきます。

・ 個人の持つ様々な価値の再発見と人々の互恵的な交流

・ 職場とは限らない、適切なコミュニティーに参加することによる、個人の価値の増幅

・ 本当の個人の力は、独り占めすることではなく、分かち合うことから生まれる

・ 再発見した個人の価値を流通させ、生活の糧に交換する仕組みが必要

そして、最終的には、

・ 個人一人ひとりがつながる分散社会へ

それは、社会が無数の自分事(パーソナル)の集まりである、ことを意味します。そして、その社会固有の信頼の強さが重要になります。

私たちトリブライトは、そんな時代の変化の中で、先のテーマに真摯に取り組むことで、「」に貢献して参ります。


② 「テクノロジーが社会の形を決める」ことへの懸念

新しく始まった2020年代は、最新のテクノロジーが新しく生み出す世界へ、人々の生活をどんどん誘(いざな)う時代になることが予想されます。

それは、従来のような、もともとある生活をテクノロジーによって効率化や自動化するような、省力化、生産性向上ではなくて、ライフスタイル(生活様式)そのものの大きな転換点となる「変革」だと考えます。

昭和期の中~後期も、テクノロジーの飛躍的発展を伴うものでしたが、その目的は「生活を豊かにすること」であり、その実態は「経済成長」であり、その時代の人々にとっての「共通の目標」でした。

そうなると、今回、テクノロジーは私たちに何をもたらしてくれるのでしょうか?

今の私たちにとっては、漠然としたその世界を、多少なりとも評価が可能なイメージで認識できることが、極めて重要な関心事です。

世紀を跨いで、IT化、デジタル化の波に乗った、特に米国や中国の新興企業が莫大な利益を上げ、今現在も全世界に対してさらなる攻勢をかけてきています。それらによる私たちの生活の変化は確実に起き始めていますが、その変化はまだまだ「イントロ」に過ぎません。

は、生産性や合理性、投資効率など大企業で優先されがちな枠組みや、理論化できないものはどんどん外し、利用範囲の狭いものは後回しにするビジネスモデルで、私たちの生活を変革してきます。

しかし、利益率が高くマネタイズしやすいなどのビジネスモデル、サイバー空間を利用した仮想現実やAIは、私たちにとって本当に必要なもの、本当に必要な変革をもたらしてくれるのでしょうか?

人間は、今までになかった新しい道具を手に入れると、どうしても使ってみたくなります。もしかしたら今は、その目的や効果よりも、新しく手に入れた技術や道具をとりあえず使ってみる時なのかもしれません。そして、いろいろ試したその先に、本当の「価値」がやってくるのかもしれません。

そうであるとすると、大切なのはその使い方です。

私たちトリブライトは、よりも、によって生み出されるにフォーカスしたいと考えています。

人間は元来非効率で個別なものです。合理性や汎用性を柱とした科学に裏打ちされたテクノロジーに人が合わせることはそもそも困難です。

しかし今の世の中は、そのテクノロジーに人が合わせに行っているケースが多々あります。普段では決して接点のない人に対しての誹謗中傷を、テクノロジーが可能にしたことにより、ついやってしまう。デマの拡散や過度な自慢も、本来そんなことをする人ではないのにやってしまう。使い道を限定しない道具を、目的や効用を示さずに渡すとどうしてもそうなってしまう。

そうではなくて、まずは元来、非効率な人間が、どうありたいのか、一人ひとりが何を好むのか、そして何をやりたいのか。

そんな一人ひとりの「想い」が、重要な起点になると考えています。



これは、終戦を迎えた時の、作家太宰治のことばとされています。

今の時代、何が流行るか、何が必要か、ではなく、、を考える。

時代の流れに囚われず、過度にAI導入後の世界を恐れず、自分にとって理想の未来を想像し、その道筋をつける。未来がそうなるとは限りませんが、不確定性があるからこそ想像力が生まれる。想像だからこそ、論理より「感性」が大事になる。そして、なんとか実現したいと思う。そしてその実現を最新のテクノロジーが可能にする。それは社会や企業が求める成功、ではなくて、自分なりの成功。

AIの時代だからこそ、すでに認識された課題解決よりも、AIに解いてもらう課題そのものの発見が大事です。それが「」につながります。

私たちトリブライトは、派手さはなくても、の方向に技術を活かすためのサービスやプラットフォームをお客様と共創し、を実現させたい。

目の前に迫った時代の移り変わりの中で、本格化しつつあるを目指して、社会や人々の生活向上に貢献していきたいと考えます。

若い人たちだけが元気なだけでは世の中は変わっていけない。

の展開を私たちは目指します。

代表取締役社長 兼 CEO

大野 一郎